家のキッチンに立つと、いろいろなガラス製品が目に飛び込んできます。
ひとつは食器。コップの多くはガラスで作られています。またサラダやおそうめん、冷やし中華など涼しげな料理の器などにもガラスの器を選ぶことがあります。
もうひとつは調味料や加工食品の容器。スパイスなどの小瓶から、醤油やお酢などの大きな瓶まで色々な大きさ、形があります。いわゆるボトルタイプのものだけではなく、ジャムなどペースト状の食品なども広口のガラスびんに入っていることが多いですね。
なぜ身の回りにはこんなにもガラス製品があるのでしょうか。
それにはいくつかの理由があります。
一つは、中身が見えること。ガラスは基本的には無色透明で、容器の蓋を開けなくても中身を確認することができます。光を通すため、紫外線劣化を起こしやすいというデメリットもありますが、保管場所や着色など遮光処理などの工夫で解決ができます。
二つめは、無臭であること。ガラス自体は臭いがしないため、調味料など香りを重視する食品の保存に向いています。
三つめは臭い移りが少ないこと。臭い移りが少ないということは、容器に成分が残らないということ。きちんと洗浄することで、清潔を保ったまま繰り返し使用することができます。
四つめは、容器の劣化が少ないこと。保存食では防腐効果を狙って塩や酸(酢)を多く含むものがあります。これらは金属などでは、化学反応を起こし、腐食や変質してしまうことがありますが、ガラスびんであればそれらを防ぐことができます。もちろん、蓋には金属が使われていることがあるため、注意が必要です。
実際に我が家では、シングルユースで作られたガラスの空き瓶を積極的に再使用しています。
それは私が料理好きで自家製の調味料などをよく作るので、その保存容器として利用するからです。
ガラスびんは塩や酸にも強く、きちんと洗えば臭い移りもほとんどありません。また、ある程度の熱耐性もあるため、湯煎で殺菌消毒をするのにも最適です。
これらガラスびんの替わりの容器が他にあるかと言われると、思い浮かばないほど重宝しています。
我が家ではこうしてガラスびんの再使用をしていますが、それでも再使用する量より、購入するガラスびん製品の方が圧倒的に多いのが現状です。
洗えば使えるのに、と思いながら今も多くをリサイクルびんとして捨てています。
今でこそ食品には様々な保存容器、保存方法があります。
それでは現在のように科学技術が発展する前ではどうだったのでしょうか。
次回は日本のガラスびんの登場まで遡り、活躍の歴史からリユースびんについて学んでみたいと思います。