日本ではRびんの活動により利用が増えているリユースびんですが、海外の3Rとごみ問題はどうでしょうか。
ドイツでは飲料容器にデポジットシステムを導入しています。ひとつはリユース容器のデポジットシステムで飲料の種類に応じて、ワインは2〜3セント、水やソフトドリンクは15セント、ビールは8セント程のデポジット料金がかかります。
一方、再使用ができないワンウェイ容器にもデポジット料金がかかります。0.1~3Lのビールや清涼飲料水には25セントほどの支払いが必要です。
ドイツ人がビール好きなのは誰もが知るところですが、ビールといえばビールびんという根強い支持があることも影響し、ビールびんのリユースびん使用率は90%を超えると言われています。
一方、ワンウェイ容器であるペットボトルの飲料水の需要も増加しており、この対策が課題となっています。
環境先進国と言われるスウェーデンは、1990年代にビールとドリンク用のリユースガラスびんに、95%という高いリユース義務率を課したことで急速に普及し、規制が緩和された現在でもガラスびんのリユース率は実に95%という高い数字を保っていると言われています。
またスウェーデンもデポジット制を導入しており、容器のサイズに応じて、細かく料金が設定されています。またワンウェイのリサイクル容器に対してもデポジット料金が発生するため、街中のごみを減らす景観美化にも一役買っているようです。
アメリカでは州ごとに取り組みは変わりますが、他の国と同じようにリユース容器、ワンウェイ容器のデポジット制を導入しています。また特にリデュースの取り組みに積極的で、どこのスーパーでも農産物をはじめとした食品のバラ売り、量り売りが当たり前の光景になっています。
アジアの先進国、シンガポールでは東京23区程度の国土面積の中でどの世にごみを処理するかが課題となっています。街の景観を保つことに積極的で、ごみのポイ捨てには高額な罰金が課されています。これもリデュースに繋がるひとつの方法ですね。
またごみ処理は有料となり、住居、建物の種類に応じて月額費用を支払います。分別は一般ごみとリサイクルごみに分けて回収され、一般ごみは焼却されて容積を減らしてから埋め立てられています。
このように、世界を見ても先進国と呼ばれる国々は積極的に3R、ごみ問題に取り組んでいます。ただし、リデュース、リユース、リサイクルに対しての国の事情や国民の感覚は違いがあり、それぞれ特色を生んでいます。
世界と比較すると日本では商品の過剰包装やサービスが問題となっています。そのため、2020年からのレジ袋の有料化や、2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法など、リデュースのための具体的な取り組みも始まりました。
循環型社会を目指すためには、3Rの取り組みと、何よりそれらの連携が必要です。
ごみを出さない、ごみにさせない、無駄にしない。
今すぐわたしたちができることから、少しずつ始めていきたいですね。