リユースびんの豆知識

コラム

リサイクルをもっと知ろう

リサイクルと聞くと、日本ではリサイクルショップをイメージする方も多いと思います。
しかしリサイクルショップに並ぶのは中古品ですので、それは本当の意味でのリサイクル(再資源化)品ではなく、リユース(再使用)品となります。


これまでのおさらいをすると、日本では排出される空びんの約40%がリユースびん、60%がワンウェイびんとして処理されています。そのワンウェイびんに、リユースびんのうち再使用ができなくなったものを加えた中の、約70%がリサイクル原料として再資源化されています。


多くの自治体では、ガラスびんは、無色、茶色、その他の色に区分して、リサイクル回収されています。リサイクル回収した後の選別施設では、リサイクルできない耐熱ガラスびんや、金属やプラスチックなどの異物を取り除いています。


分別されたガラスびんはカレット工場に運ばれます。カレット工場では、ガラスびんを細かく砕き、新しくびんを作るための原料=カレットに加工されます。


その後、ガラスびん製造工場で新しいガラスびんに生まれ変わります。ガラスびんへのリサイクルができないカレットは、アスファルト舗装の材料として砕石や砂に10〜20%ほどの割合で混ぜたり、溶かしたものを糸状に細く引き伸ばして建材用の断熱材、防音・吸音材として利用されます。


日本でリサイクルされる素材は他にもいくつかあります。


・ペットボトル:ペットボトルは、ポリエチレンテレフタレート(P E T)からできており、プラスチックの中ではリサイクルが簡単な原料です。ペットボトルは自治体に回収されたのちに、資源化センターで分別、リサイクル工場でガラスびんのカレットと同じように細かく裁断され、フレークと呼ばれるP E T原料に加工されます。この原料は再びペットボトル製造に使用したり、食品トレイやパック、プラスチック製品、そして繊維状に引き伸ばされ、衣類の生地に加工されます。


・プラスチック:プラスチックと一口に言っても様々な種類があります。発泡スチロールに代表されるポリスチレン、コンテナやパレット、ポリタンクなどオレフィン系のポリプロピレン、塩ビ管や農業用ビニールハウスなどのポリ塩化ビニル、そして私たちがよく使うポリ袋はポリエチレンが主な原料です。これらも原料ごとに分別することでリサイクルが可能な素材となります。


・アルミ缶:金属のリサイクルといえばアルミ缶が有名です。自治体に回収されたアルミ缶はまとめて潰されてスクラップにされ、リサイクル工場で表面や塗料などの不純物を取り除かれた後、高温の溶鉱炉で溶かされて、再生地金というブロック状の再生原料になります。アルミ缶は優秀なリサイクル製品で、消費されたアルミ缶の95%程度がリサイクルされ、その内約70%が再びアルミ缶に加工されます。地金はアルミニウムの純度が高いため、自動車部品に使われるアルミ合金の原料などにも使用されています。


スチール缶:スチール缶は原料の成分規格が厳密で、鉄筋などの土木資材などとしてリサイクルされ、再びスチール缶に加工されることはまずありません。


・建築廃材:建築現場で排出される木材なども立派なリサイクル原料です。細かく砕き固めることで、再び建築用の下地材などに加工されます。セメントやコンクリートなどの瓦礫は、再びコンクリートにリサイクルすることが可能です。


その他にもレアメタルと呼ばれる、機械の基盤などに使われる、ごく少量の希少金属などもリサイクル原料として利用されています。


こうして見ると、身の回りの色々なものがリサイクルされていることに気付かされます。しかしその中には、私たち消費者が分別しなければリサイクルできないものが多くあります。
このごみを分別すればリサイクル資源になる、そんな風に考えると私たちが毎日しているごみ出しも少し楽しくなるかもしれませんね。

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