リユースびんの豆知識

コラム

パルシステムの環境への取り組み


パルシステムの前身生協が誕生した高度経済成長期は、公害が多発し、農薬や化学肥料を多用する農業が普及するなど、「人」や「環境」への影響が深刻化した時代でした。
この頃から、パルシステムでは組合員が生活者の視点で「環境」について考え、産地やメーカーとともに環境保全活動に取り組んできました。
たとえば、川や海に流れる水や肌への影響を考え、「環境中で分解されやすい石けんを使いたい」という想いを形にし、合成界面活性剤を含まない石けんを広める活動「石けん運動」を始めました。

また「できるだけ農薬を減らした農産物を作ってほしい」という想いから、生産者とともに試行錯誤しながら農薬削減に取り組み、環境保全型農業を進めてきました。
このほかにも、「3R」(リデュースReduce・リユースReuse・リサイクルRecycle)を通じて資源循環、環境負荷低減に取り組むなど、パルシステムは発足当初から「環境」と調和した事業をすすめており、持続可能な社会の実現に向けて、さまざまな活動を続けています。


プラスチックごみが少なくなる商品づくり(リデュース)


パルシステムでは、1990年代からプラスチックごみが少なくなる商品づくり(リデュース)に取り組んでいます。その代表的な例が「たまごパック」です。市販品はプラスチック容器が一般的ですが、パルシステムでは個別宅配の開始当初から紙製の「モウルドパック」を採用し、回収して再び「たまごパック」へと再生させる取り組みを続けています。

また、ワンウェイの包装においても独自の容器包装取り扱い規程に沿って簡素化に取り組んでおり、トレー不使用の冷凍餃子などの商品開発を進めてきました。
2017年度から「海洋プラスチックごみ汚染」などの問題を受け、商品の容器包装における「プラスチック排出総量削減」(3カ年計画)の取り組みを開始しました。「プラスチックの使用量を減らす」、「環境負荷の少ない材質へ切り替える」ことを視点に、取引先、メーカーとともに容器包装の軽量化(使用量削減)、再生原料や植物由来原料など環境負荷の低い材質への切替えに取り組み、2017年度~2019年度までの3年間で実に232商品もの容器包装を改良することができました。

この「プラスチック排出総量削減」(3カ年計画)の取り組みを継承し、今では対象範囲を物流資材まで広げ、更なるプラスチック削減に取り組んでいます。2021年度は57商品で容器包装が改良され、物流資材では再生原料を多く使用する「折りたたみコンテナ」、再生原料100%の「シッパー」導入に向けた検討が進めてられています。


リユース・リサイクルの取り組み


1990年代は大量生産・消費・廃棄による廃棄物(ごみ)問題、とくに家庭ごみのうち6割を容器包装ごみが占めていたことから「使い捨て容器」が大きな課題でした。こうした背景から、パルシステムでは資源循環と廃棄物削減をめざし、「配送と回収」という生協ならではの仕組みを活用したリユース・リサイクルの取り組みを開始しました。

リユースでは1994年に「リユースびん」の供給と回収が始まりました。「びん再使用ネットワーク」に加盟する3つの生協と連携し、ペットボトルなどの使い捨て容器ではなく、安全性・保存性・リユース可能性などに優れた「ガラスびん」の使用に向けて、びんの規格統一、共通使用の検討を重ね、現在のリユースの仕組みが構築されました。

パルシステムでは、主に調味料やジャムなどの48商品で8種類のリユースびんを採用しており、年間約260万本のリユースびんが循環されています。(2021年実績)

リユースびん商品を利用し返却する「組合員」、回収と仕分けを担う「配送センター」、配送センターから洗びん工場まで運搬する「びん商」、びんをきれいに洗浄する「洗びん業者」、商品を充填する「生産者(商品メーカー)」の協力、連携によって、リユースの循環は成り立っています。

このリユースの仕組みを、これからも長く続けていくために、パルシステムではリユースびん自体の使い易さ向上(キャップの取り外し方の統一、超軽量茶びん導入など)や、衛生面の向上(蓋付きカートン導入など)に取り組んでいます。また、組合員の理解を深めるため、リユースびんの仕組みと、環境にやさしい容器であることを伝える公式WEBサイトを制作するなど、啓蒙活動を続けています。

リサイクルでは、主に特定の商品の容器包装や、カタログ・チラシ類、注文用紙、プラスチック袋等を対象に回収を行っており、現在ではリユース・リサイクル対象品は10品目まで広がりました。牛乳パック、ABパック等の紙パック類は「古紙原料」として、米袋やプラスチック袋は「リサイクル原料」として再利用しています。
組合員から回収された紙パック類は、100%再生紙の「トイレットペーパー」や「ティシュペーパー」となって、再び商品として組合員の手元に戻ります。かつて牛乳パックの再生利用が難しいと考えられていた時代に、「資源を大切にしたい」という組合員の声から研究を重ね、商品化された、パルシステムのリサイクル循環を象徴する商品です。


パルシステムでは3R活動を通じて、資源循環、環境負荷低減に取り組み続けています。組合員から寄せられる声では、「リユースびんは回収してまた利用されるので、とても気持ちよく利用できる」「洗浄して繰り返し使える、素晴らしいびんの文化を継続して欲しい」、「とても良い取り組みなのでこれからも協力したい」など、多くの賛同を得ています。
パルシステムでは組合員とともに、これからも持続可能な社会の実現に向けた環境への取り組みを続けていきます。

一覧へ戻る

カテゴリー

タグ一覧