リユースびんの豆知識

コラム

最新の洗びん機でより効率的なリユース事業を目指すトベ商事


「より良いリユースシステムのためには、これからも消費者、生産者、物流事業者、そして洗びん事業者が協力し、話し合い、解決していく必要があります。
日本でもいずれ国民認識が変わり、リユースが当たり前になる日が来るはずです。
いま、その起爆剤としての可能性が一番高いのは、生協だと思います。」


そうおっしゃるのは、今回取材させていただいた株式会社トベ商事・代表取締役会長を務める戸部 昇会長。


トベ商事では昨年、2021年10月に洗びん工場をリニューアルし、最新の洗びん機を導入しました。この洗びん機の特徴は、簡単な調整であらゆるRびんの洗浄に対応していることです。
現在、トベ商事ではRびんを主な洗びん対象としており、その処理能力はなんと1時間に4800本にも及びます。生協のRびん以外にも、大手居酒屋チェーンの日本酒用小びんもリユースびんとして洗浄しており、まさに最新の洗びん事業と言えます。


トベ商事の洗びん事業


トベ商事では、あらゆる形のRびんに対応する最新の洗びん機を導入しています。
これを可能にしているのが、ホルダーと呼ばれるびんを固定するパーツで、大掛かりな調整をすることなく、一般的な細口びんから、広口の小型びんまで、同じホルダーを使い対応することが可能です。


トベ商事では、洗浄ラインに送られたびんはコンベアで間隔の調整がされ、洗びん機のホルダーにセットされ、洗浄機に送られます。
最初はおよそ40℃の予備洗浄工程に送られてから、ゆっくり温度を上げて80℃の本洗浄工程に入ります。洗びん工程は全体で20分ほど、ノズルから直接洗浄液を吹き付ける噴射式を採用し、びんの内側の汚れと外側の汚れ、そしてラベルが剥がされます。


またオーバーフローした洗浄液は濾過し再び洗浄液として循環させて、省エネルギー化を図っています。
本洗浄を終え濯ぎ工程を経て機械から出てきたびんは、まず目視で汚れやラベル残りを検査しています。
Rびんについては剥がしやすいラベルを生協、生産者と共に共有しているため、ほとんどのラベルは剥がれるのですが、機械の調子を確認する目的も含め、常に確認しているそうです。


目視検査で良品と判断されたびんは、水滴除去装置に送られ、空気を吹き付けて大まかに水分が飛ばされます。
そのまますぐに全長5mほどの滅菌灯ラインに送られ、今度はゆっくり処理が行われます。
次に温びん乾燥ラインです。再び90℃ほどの温度に上げられて、乾燥させられます。
それでもびんによっては内側にわずかな水滴が残るため、次にグリップ反転機でびんを逆さまにし、完全に水分が取られます。
こうした入念な乾燥工程でびんの水分を完全に抜き、びん表面の水滴の跡を目立たなくしています。

乾燥処理がされてから機械検査工程に入り、びん全体を確実に検査しています。
最後に埃やゴミが舞わないように仕切ったクリーンブースで、口部の目視検査を兼ねた箱詰めがされて完了します。
トベ商事では段ボールへの封函やパレット積みも機械で行われ、全体を通して効率的なオートメーション化が採用されています。


リユースを徹底的に取り組む姿勢


「こうした現在の効率的な洗びんシステムを構築できたのは、年々高まる生協組合員の意識とRびんを使用する生産者の協力があってこそ。Rびんに関わる人たちみんなで長い時間をかけ、負担や効率、コストについて諦めずに話し合い続けたことで、今の仕組みができたのです。」
そう戸部会長はおっしゃいます。

この工場には通常は稼働させていない、小型の洗びん機も備えています。
これはメインラインの緊急時のバックアップや、細かい受注にも対応できるように用意しているそうです。
また、わざと洗浄対象の許容幅も広く設計されており、必要に応じてP箱なども洗浄できるようにしており、洗びんについて万全の体制を整えています。
リユースに取り組む事業者にできる限り協力したいという、徹底的な姿勢を感じる最新の洗びん工場でした。


トベ商事が目指すRびんの未来 後編の記事はこちらをご覧ください。


▼ Data
会社名:株式会社トベ商事
住所(本社):〒114-0002 東京都北区王子5-10-1
電話番号:03-5902-3202
主な事業:リサイクルシステムのコンサルティング、再資源加工(PETボトル、びん、缶、発泡スチロール、廃プラスチック類)、リターナブルびん洗浄、一般廃棄物収集運搬、産業廃棄物収集運搬、産業廃棄物処分業(中間処理)
URL:https://www.tobeshoji.co.jp/

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