リユースびんの豆知識

コラム

富士ボトリングと足柄聖河


環境対策に積極的に取り組む富士ボトリングでは、独自にできる環境活動として、独自のリターナブル飲料を開発しました。
それが足柄聖河というリターナブルびんのミネラルウォーターで、富士ボトリングの根幹となる地下水をそのままリターナブルびんに詰めて、直接販売しています。


開発のきっかけは、富士ボトリングが工場を構える足柄エリアは旅館やホテルが多く、その場で飲むことを前提としたガラスびん飲料は少なくない需要があったことだといいます。


そこで身近にできる環境活動として、定評のある自社地下水をリナーナブルびんに詰め、近隣のホテルや旅館と直接契約し、工場直送で配達、また空びんの回収活動を始めました。
独自で活動するために、専用のリターナブルびんはもちろん、専用のP箱も用意し、投資コストは決して小さくないといいます。


現在はまだ需要はそこまで大きくありませんが、すでに東京で飲まれて行政回収に回された足柄聖河のびんがきちんと自社に戻る仕組みも構築しており、今後の需要及び販路拡大の準備を万全に整えています。コロナ禍の影響でリターナブルびん飲料の需要は一時的に落ちましたが、近年の社会でのSDGsの注目により、確実にリターナブルびんの需要は拡大していくだろうと確信しています。


実際に味見させていただいた足柄聖河のミネラルウォーターは、癖もなく柔らかい飲み味で、まさに聖河という表現がぴったりな印象。さらにガラスびんの口当たりも優しく、新しいリターナブル飲料の可能性を強く感じました。


リターナブルびんにかける思い



富士ボトリングではリターナブルびんは環境保全最高峰の3R商品だと考えています。使い捨てをせず20回以上繰り返し使えるリユース、包装材やラベルのごみが出ないリデュース、使えないびんもカレットとして再利用が可能なリサイクル、そしてそれを運搬するP箱も繰り返し使え、壊れても再生資源として活用することができます。
リターナブルびんはL C A(life Cycle Assessment)の観点でも優秀で、同容量の容器比較をした場合、5回ほど再使用しただけでも、同容量のスチール缶(3缶)の1/4以下の環境負荷と計算することができます。


しかし残念ながら日本でのリユース及びリターナブルびんの取り組み、普及は海外に比べるとまだ遅れているといいます。
ドイツでは清涼飲料水、果汁、ワインの容器には70%以上のリユースが法律で定められています。デンマークでは果汁のみワンウェイびんの使用が許可されていますが、基本的にはリターナブルびんの使用が義務付けられ、実際に市場の飲料容器のなんと97%がリユースびんだといいます。消費大国であるアメリカでも普及が進んでおり、オレゴン州では70年代前半には市場の36%だったリユース容器が、現在では98%を占めるまでになっているそうです。


今回インタビューさせていただきました環境・品質マネジメント室室長 友野秀美さんはこうおっしゃいます。
『SDGsの追い風もあり、全世界で脱プラスチック化が進んでいます。その中で私たちはびん飲料をもって社会へ貢献し続けています。日本のびんリユースは古くからある洗練された仕組みです。例えばいま私たちが製造するびん飲料はプリントラベルなので、紙ラベルのように紙ごみが出ません。王冠を使用したびん口は傷や破損が起きにくく、また密閉性も非常に優秀です。また包装(配送)に使うP箱もプラスチック製ではありますが、40年以上繰り返し使用可能な優秀なリユース資材です。
私たちはこの素晴らしい仕組みが再び日本の飲料流通の主流になるよう、安定したリターナブルびん飲料の製造をもって支え、提案をし続けています。
その提案の一つが足柄聖河です。
私たちには、この足柄平野から湧き出る美味しい水という大きな武器があります。
水はシンプルに直接自然の恵みを感じられる、素晴らしい飲料です。
これをきっかけに自然のことや、3Rのことを消費者の皆さんが少しでも考えてくれたら嬉しいです。』


足柄平野は丹沢山地や足柄山外輪山に囲まれた水源と緑豊かな土地です。地域では当たり前に飲まれている地下水も、都市で飲む水に比べると格別な味わいがあります。
富士ボトリングでは、そうした自然豊かな土地の恵みをリターナブルびんに詰めて、環境保全の大切さを啓蒙する活動を地道に力強く続けています。

リターナブルびん専門の飲料製造工場、富士ボトリングはこちらからご覧ください。


▼ Data
会社名:富士ボトリング株式会社
住所(本社):〒258-0017 神奈川県足柄上郡大井町西大井 901
電話番号:0465-85-3663
主な事業:清涼飲料水受託製造
URL:https://fujibottling.co.jp/

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