リユースびんの豆知識

コラム

企業とゼロウェイスト斗々屋の2つの仕組み


斗々屋は日本でも珍しい量り売り専門スーパーマーケットで、現在、京都本店と国分寺店の2店の直営店があります。
どちらも量り売りを行なっていますが、仕組みは大きく違うと言います。


まず商品購入の流れはどちらの店舗も、商品の選択、計量、支払い、となっており、野菜などであればそのまま、その他の多くの食材は容器に入れてから軽量となるため、先に容器の重量を計量してから、商品重量を計ります。


国分寺店は、これらの作業のほとんどを人の手で行います。これは個人事業主が大掛かりな設備投資をせず量り売り事業を開業するのに、ちょうど良い規模感のモデルショップとして運営されています。
これは手作業が多い分、販売者と消費者の密なコミュニケーションが生まれる、地域密着型の事業としての可能性を持っています。


いっぽう京都店では、企業が設備投資をして運営できるモデルショップとして運営しています。購入の仕組みにも、秤に乗せた食材をカメラで自動的に判断したり、商品容器に取り付けられたセンサーとはかりが連動していたりと、購入作業をサポートする専用の機械を秤メーカーの寺岡精工とパートナーシップを組んで、最新技術を導入しています。
京都本店ではこのオートメーション化された購入システムにより、何度か通えば普通のスーパーで買い物する以上のスムーズさで利用することができるそうです。


斗々屋では個人から企業まで、さまざまな経済事情に合わせた事業モデルを提案しています。


ゼロウェイストで便利で快適な世の中に


「本来、ゼロウェイスト=ごみを出さないというのは、手間が減るということです。私たちが手間をかけたり不便を感じずに、いかに楽で便利に利用できるかがこの事業のカギです。」と梅田社長はおっしゃいます。

実際に京都店では、近隣の高齢者の方の利用がとても多いと言います。
それもそのはず、店内の商品は量り売りなので、少量の買い物にも対応しています。
わずか20gから販売可能なので、小松菜など葉物野菜であれば1株から、バナナ一本でも購入することができます。また、卵も一個から購入可能です。
例えばニラなどあまりに細かい野菜は紐で縛ることもあるそうですが、基本的には生産者から仕入れたままのものを置いています。
これは購入者のメリットだけではなく、生産者が規格袋に詰める手間を減らし、包材ごみの発生の抑制にも繋がっています。


また野菜自体も生産者が「規格」に合わせるためのトリミングをしないため、フードロスの低減に繋がり、さらに店頭においても野菜本来の状態=鮮度の良い野菜を陳列、販売することが可能になります。これは購入者のメリットだけではなく、商品パッケージに詰めるための「規格」を省くことで梱包の手間も減らし、店頭でもトリミングなどをせず鮮度の良いそのままの状態で仕入れ、陳列することが可能になります。
このようにゼロウェイストの活動は不便ではなく、むしろ消費者に寄り添った便利な側面が多くあります。


世の中を見渡すと、まだまだごみは溢れています。
残念ながら現在の日本の経済では、消費を代償に必要以上の利便性を追求して無駄が生まれています。そしていっときの利便性のために、多くのごみを生み出しています。
特に企業から出るごみは膨大で、日本はそうした対策が遅れていると言います。
商品やサービスを提供する企業がゼロウェイストに取り組まなければ、消費者に選択肢は生まれません。


斗々屋では2つのモデルショップを元に直営店を増やすのではなく、ビジネスモデルとして個人事業主や企業にノウハウを広めることで、消費者が「便利なゼロウェイスト」を選択できる機会を、日本中に広めていきたいと考えています。


実際に、現在斗々屋には企業からの視察問い合わせが多く入っているといいます。
私たちが当たり前にゼロウェイストを選択できる時代は少しずつ近づいているのかもしれません。そしてその実現のためには、これからも私たち消費者がリユースやゼロウェイストに関心を持ち続けることが大切なのではないでしょうか。


ゼロウェイストな食品販売店、斗々屋 前編の記事はこちらをご覧ください。


▼ Data
会社名:株式会社斗々屋
住所(本社):〒602-0862 京都府京都市上京区河原町通丸太町上る出水町252番地 大澤事務所ビル 1F
主な事業:オーガニック食材・ワイン、量り売り専用什器、エコ雑貨などの輸入・卸売・小売
URL:https://totoya-zerowaste.com/

一覧へ戻る

カテゴリー

タグ一覧