富士ボトリング株式会社は「この1本でSDGs!使い捨ての概念を捨てよう!」をスローガンに掲げた、日本でも珍しいリターナブルびん専門の飲料製造工場です。神奈川県足柄上郡、酒匂川のほど近くに工場を構え、丹沢水系由来の豊富で綺麗な地下水を利用して飲料を受託生産していいます。
富士ボトリングではペットボトル飲料などが流行る前からリターナブルびん飲料の製造に注力しており、2023年現在では日計24万本以上の製造を請け負っています。
それだけの生産能力を保ちながら、環境対策にも積極的に取り組んでおり、2013年にFSSC2200を取得し現在も継続しています。FSSC22000とはFood Safety System Certification 22000の略で、包装容器なども含む安全な食べ物を製造するための仕組み作りの認証で、ISO22000を元にさらに厳格に基準を設けた食品安全マネジメントシステムの国際規格です。
FSSCでは、どんな原材料でどんな作り方をし、どんな機械で誰がどのような技術や経験を持って作業するのか、原材料の安全性から仕入れ流通に至るまで、またトラブルや製造ミスの危機管理に至るまで、あらゆる要求事項をクリアする必要があります。
この食品安全システムの認証取得により、食品製造の安全性を証明するだけでなく、設備対策や社員教育、コミュニケーションに至るまで、適切なマネジメントをすることで、製造ミスやロスが減り、結果として環境負荷の低減にも繋がっているといいます。
洗びんから生産まで
富士ボトリングでは、回収してきた空びんの洗浄から自社で行います。
まずスケジュールを組まれた飲料の空びんをコンベアに移し、手作業で異物混入や異種びんを選別します。弾かれたびんはカレット材料として破びん処理され、残りは洗びん機にかけられます。
これらは最新の洗びん工場と同様の工程で熱水洗浄、殺菌、乾燥され、目視検査と機械検査を組み合わせて合格したものだけが充填に回されます。
充填工程では内容物を充填した後、速やかに打栓・殺菌を経て商品として出荷されます。
また、富士ボトリングでは配送用のコンテナ=P箱も重要なリユース資材と考え、少しでも長持ちするように丁寧に洗浄し、再利用しています。
SDGsの取り組みとリターナブルびん
現在はほとんどフル稼働で生産ラインが動いているそうですが、一時期はペットボトル飲料の台頭と共に需要が減った時期もあったそうです。
ただここ数年、SDGsに各大手企業が取り組むようになったことで、リターナブルびんを使用した飲料製造の依頼は増えてきているといいます。
富士ボトリングでも現在SDGsには積極的に取り組んでおり、特に17の目標のうち、下記5項目に取り組んでいます。
12:つくる責任・使う責任:リターナブルびんを使用し、使い捨てをしない。
13:気候変動に具体的な対策を:リターナブルびん飲料で脱プラスチック化を推進。
14 海の豊かさを守ろう:プラスチックを使用しないびん製品でマイクロプラスチックを排出しない。
15:緑の豊かさを守ろう:プラスチックラベルを使用しない、P箱の使用で包装材料も不要。
17:パートナーシップで目標を達成しよう:リターナブルびん飲料で環境保全に貢献するとともに、小田原市のS D Gsパートナーに登録し活動。
▼ Data
会社名:富士ボトリング株式会社
住所(本社):〒258-0017 神奈川県足柄上郡大井町西大井 901
電話番号:0465-85-3663
主な事業:清涼飲料水受託製造
URL:https://fujibottling.co.jp/